このご時世、twitter界隈でも、「会社員=消耗している」といったワード良く見ますよね。
今は、簡単に副業が出来る時代になりました(会社に副業禁止規定があったりしたら知りませんが。)。
街を歩けば立方体のバックを背負って自転車で配達する人、ランサーズとかでちょっとしたお小遣い稼ぎをする人、楽天せどりやってる人。はたまた、思い切ってyoutuberデビューする人など稼ぎ方は多様化してますよね。
ただ、いざ始めたは良いものの、もらったお金って確定申告しないといけないはずだよね。と分かっているけどどうしたら良いのか分からない。。。
こんな方多いのですよね?
というわけで、今回のテーマはこちら(今回はというか、このブログ第1号の記事ですが。)!!
「自分の副業が、事業所得か雑所得のどちらに該当するか分かるようになる!!」
Contents
何でこの記事を書くのか?
リベ大ゆるコミュニティに参画
私、「日本一自由なIT会社の社長(兼、投資家)の両@リベ大学長(各SNS等の登録者は下記のとおり)」が運営している「リベラルアーツ大学」の中の「リベ大ゆるコミュニティ(2020年5月現在23,000人参加)にて、「税金相談チャット」を担当しています!
・YouTubeチャンネル登録者数30.6万人
・Twitterフォロワー数14.8万人
・Instagramフォロワー数9.9万人
圧倒的に多い質問が、副業関係!
税金相談チャットでは、色々な質問が来るのですが、その中でも多いのは会社員でありながら副業をしている(会社に許可もらっている人もいれば、こっそりの方もいます。)方の相談です。
実際にあった相談がこんな内容です。
※この類はすごくたくさん来ます。
私の本業は、介護職のフルタイムパートとして働いています。一方、今年の3月から副業のwebライティングを始め、今年の収入は18万円ほどです。なお、今後も続けていくつもりです。
また、webライティング以外にブログも行っていて、去年の12月下旬から始めています。ですが、途中で更新をストップし、本格的にブログを始めた時期が8月の下旬です。Googleアドセンスを主な収益としていて、現在の収益は0円です。今後、売上げを伸ばし、長期間で続けていくつもりです。
この2つの副業は、フルタイムとして本業で働いている場合でも、個人事業主として認められるのでしょうか。
[サラリーマンが副業で事業として 成立していると認められるハードルは 高い]とネット記事で読んだのですが、 副業として請負で毎月2〜5万円 コンスタントに稼いだ場合は どちらに当てはまりますか?
Uber eatsとか楽天せどりが、会社員でも比較的副業としてのハードルが低いようで、質問の頻度も高いです。
明確に税法で、ここまでは雑所得、ここからは事業所得などと定められている訳ではないので、実はすごく微妙な論点なんです。
私はこのブログを匿名でやってますので、税理士さんのHPで出ているようなブログの記事よりは少々攻めた回答を、税理士ではないけど攻めた回答をしている一般の方よりは信頼感ある回答をお約束致します!!!
事業所得と雑所得の課税上の違い
会社員の方の場合の計算イメージ
会社員の方であれば、給与収入がありますよね。
会社員で給与収入のみの方って、確定申告しないですが、これは会社が年末調整をしてくれているからです!
※医療費控除とか住宅ローン控除(1年目)の適用があれば、確定申告する人もいますが。
よって、副業をしている方は、会社からもらった源泉徴収票の給与の金額に、副業の収入を足した金額で確定申告をすることになる訳です!
事業所得と雑所得の違いは??
まず、基本的に事業所得の方が税金計算上有利です!!(これ大事!)
ですので、事業所得の主なメリットを列挙します。
・事前に青色申告承認申請書を出して、青色申告することによって、青色申告の特典の適用が可能に(65万円の経費上乗せ(青色申告特別控除)など)
・赤字の場合には、その金額を他の所得(会社員であれば給与所得)に充当出来る(税金が還付されます。)。
ということは、雑所得だと青色申告の特典もないですし、赤字になっても、基本的に他の所得に充当は出来ないのです。
そうなったら、なんとか事業所得にしたいですよね!
ということで、ではどういう判断基準なの?です。
事業所得と雑所得のどちらに該当するのか?
事業所得とは??
ちょっとアカデミックになりますが、税法上の「事業所得」の定義を確認してみましょう!
「所得税法第27条 事業所得」では、下記定義されています。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
上記の政令というのは、「所得税法施行令第63条 事業の範囲」にて、下記定義されています。
法第27条第1項(事業所得)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(不動産の貸付業又は船舶若しくは航空機の貸付業に該当するものを除く。)とする。
一 農業
二 林業及び狩猟業
三 漁業及び水産養殖業
四 鉱業(土石採取業を含む。)
五 建設業
六 製造業
七 卸売業及び小売業(飲食店業及び料理店業を含む。)
八 金融業及び保険業
九 不動産業
十 運輸通信業(倉庫業を含む。)
十一 医療保健業、著述業その他のサービス業
十二 前各号に掲げるもののほか、対価を得て継続的に行なう事業
ん??
と思いますよね。でも、これだけなんです。事業所得の法律上の定義って!
雑所得とは??
続いて、税法上の「雑所得」の定義を確認してみましょう!
「所得税法第35条 雑所得」では、下記定義されています。
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。
※条文はこの後も続くのですが、副業のケースに該当する内容ではないので割愛しておきます。
要は、事業所得に該当しなければ、雑所得になっちゃうよ!!ってことなんですね。
結局どっちなの??
そう思いますよね。w
条文だけ見ると、色んな業種が列挙されているのですが、結果的に所得税法施行令の下記条項で継続的に収入があれば、いけちゃうじゃん!と思いますよね。
十二 前各号に掲げるもののほか、対価を得て継続的に行なう事業
ただ、結論そんなことにはならないんです。。。
こんな曖昧な条文(仕方ないんですけどね。)なので、当然見解の相違が起きます。
そうなると、事業所得なのか雑所得なのかを争う裁判も出て来ます。
それらの判例がいくつか出てくることによって、おおよその要件が定まってくるということになるんです!
判例を見てみましょう!
事業所得か雑所得かでの判例等で有名なものが下記の2つです!
1.最高裁昭和56年4月24日第二小法廷判決より抜粋
事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいい、
実は、この判決って、弁護士の顧問報酬が給与所得か事業所得かで争われた事案なので、副業が雑所得か事業所得かが争点ではないんです。しかも、40年近く前の判例なんです。
ただ、界隈ではこの判例を用います!
要は、下記4要件になるということです!
① 自己の計算と危険において独立して営まれていること
② 営利性、有償性を有していること
③ 反復継続して遂行されて営まれているか
④ 社会的地位が客観的に認められているか
2.名古屋地裁昭和60年4月26日判決より抜粋
一定の経済的行為が所得税法施行令63条12号にいう「対価を得て継続的に行
う事業」に該当するか否かは、当該経済的行為の営利性、有償性の有無、継続性、
反覆性の有無のほか、自己の危険と計算による企画遂行性の有無、当該経済的行為
に費やした精神的、肉体的労力の程度、人的、物的設備の有無、当該経済的行為を
なす資金の調達方法、その者の職業、経歴及び社会的地位、生活状況及び当該経済
的行為をなすことにより相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性が
存するか否か等の諸要素を総合的に検討して社会通念に照らしてこれを判断すべき
ものと解される。
先ほど述べた「対価を得て継続的に行なう事業」に言及した判例です。
※こちらは、地裁判決なので法的拘束力はないのですが、大事な判例です!
色々書いてありますが、結果「相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性が
存するか否か等」を判断基準としていると読めますね。
現状、大体は上記2つの判例をもとに判断はするのですが、まぁ何とも曖昧ですよね。
そんな曖昧なものを考えてみましょう!!
事例①
・会社員でフルタイムで勤務している
・土日ちょっと暇なんでUber eatsの宅配をやって、大体月3万円くらい稼いでいる
どうでしょう?
何となく事業所得にはならなさそうですよね。
何でですか?金額少ないし、土日だけだから?
そんなもんでOKです。税理士も大体そんな感覚なのが事実です(すみません。)。
この事例はさすがに事業所得にはならず、雑所得でしょうね。
事例②
・会社員でフルタイムで勤務している
・平日の仕事終わり毎日と、土日終日にUber eatsの宅配をやって、大体月20万円くらい稼いでいる
どうでしょう?
ん?事業所得になりそう!
そんな気がしますよね。
実際は結構微妙なんです。たぶん、税務署で聞いたら「雑所得」と言われると思います。
何でかって、会社員で働いているからです。だって、これなくても生活できるじゃんって。
じゃ、会社員じゃなく、フリーターで同じくらいUber eatsやってたらどうか?
たぶん、税務署で聞いたら、事業所得と言ってくれそうですね。
何でかって、専業でUber eatsやってるからです。
じゃ、フルタイムじゃなくて、週3勤務だったら?フルタイムだけど、フルタイム以上にUber eatsで稼いでたら?
そうです。人によって全然違うんです。そして、明確な線引きがないんです。
では、どう考えればいいのか??
感覚的に事例①は、事業所得にはならなさそうだなというイメージを持ってもらうと、何となく掴めるんじゃないでしょうか??
事例②からは微妙ですよね。
その感覚があれば取りあえずOKです!
あとは個別事案ごとの判断であることを理解し、指摘されるリスクを把握しておくことがこの論点のゴールで良いと思っています。
結論
指摘されるリスク
前章で「指摘されるリスク」と書いたのですが、事業所得として申告する場合にどういう手続きが必要かです。
「税金相談チャット」でも、勘違いしている人が非常に多くて、事業所得にするには、税務署に行って開業するので事業所得として認めて下され!!と書類を出し、その場で審査されると思っているようです!
実際は全然違いまして、事業所得にするためには、「個人事業の開業届出」という書類に必要事項(住所氏名やどんな事業をいつからやるか?)を書いて税務署に出す(郵送でも勿論OK)だけで、その場での審査は一切ありません!
指摘される場合としては、提出された確定申告書に対して、税務署側の職員が「ん?」と思い、問い合わせてくるケースです。
東京国税局管轄(東京、神奈川、千葉、山梨)で、6百万件弱にもなる確定申告の中からピックアップされるかです。
これ以上は書くのは怖いので、このあたりでとどめさせて下さい。笑
でも、指摘されることはありますよ。
結論
万が一、税務署に指摘されたときに、「これは、れっきとした事業所得なんです!!!」と自信を持って言える状況であることが、とにもかくにも最も大事です!!
色々書きましたが、最後は自己判断でお願い致します!
それと、会社に副業がバレない方法も!
こちら別でまとめてますので、参考にしてみて下さい!!!
参考動画!
私が日頃仲良くしている、大河内薫税理士(今一番熱い税理士でしょう!)がyoutubeをやっていますので、関連動画を貼っておきます!